その菌、ホントに悪い菌ですか?


 私たちの身体は、

 約37兆個の細胞から

 出来ています。

 

 

 実は・・・

 その何倍もの数の

 微生物(菌)と共生しているんです。

 

 そして。。。。

 この微生物(菌)たちが

 いなくなってしまったら。

 私たちは生きていけません。

 

 

 生命を維持していくために

 とっても大切な役割をになっている

 「菌」

 その存在を知らなかったり

 当たり前すぎて

 重要性まで考えもしなかった・・・

 それが、少しずつ変わろうとしています。

 


 「菌」というと

 「病原菌」や「バイ菌」と考えて

 やっつける方を

 優先してきました。

 


 例えば、「ピロリ菌」
 
 胃壁に潜む常在菌で

 アンモニアや毒素を発生し

 胃の粘膜を傷つけて

 炎症を起こすことがわかっています。

 

 これが、

 慢性胃炎や胃潰瘍を引き起こす

 と発表され

 「悪者」として扱われてきました。

 


 ところが。

 最近になって

 このピロリ菌が引き起こす

 「炎症」が必ずしも

 悪い事ではない。。。

 ということがわかってきました。


 炎症が胃のホルモンに影響を与えて

 胃酸の調整が行われていること。


 
 炎症が胃壁を厚くして

 年齢とともに減っていく胃酸によって

 胃潰瘍になる可能性を減らしてくれること。


 等です。

 

 


 しかし、

 子ども時代に

 ピロリ菌を取り込めなかった人

 抗生物質によって

 ピロリ菌を根絶した人は

 年齢を経ても

 胃酸の量が減ることがなく

 これが食道に逆流して  
 
 胃食道逆流症を

 引き起こす可能性があるのです。

 

 

 ピロリ菌は一例にすぎません。

 ある一面では、

 「悪者」である菌も

 反対から見ると

 「良い面」もあるということです。

 


 良い、悪いは

 菌だけを見るのではなく

 その人の身体・環境・状況

 そして、そのほかの菌などによって

 変わってくるって事。
 

 

 それを知らずに

 ある一面を見て

 「悪者」と決めつけて

 抗生物質などで

 菌を根絶することによって

 身体全体の状況が

 変わってきてしまうんです。

 


 ☆悪い菌の役割は☆

  生態系の「キーストーン種」

 

 70年前アメリカで

 家畜を殺す悪者として

 オオカミが駆除され絶滅しました。

 

 それによって今。

 シカが爆発的に増え

 好物のヤナギが食害されるようになりました。

 


 ヤナギでダムをつくる

 ビーバーなどの小動物が減り

 川が侵食され

 水鳥がいなくなり

 ほかの草食動物も減る

 ということが起こりました。

 

 生態系のバランスが

 大きく崩れてしまったのです。


 この場合のオオカミが

 キーストーン種。

 

 

 私たちの身体の中でも

 同じことが起こっています。

 

 

 一部を見て「悪い菌」

 として駆除してしまうことによって

 身体のバランスが

 大きく崩れ始めています。

 

 

 そして、

 一度失われてしまった菌は

 回復することはできません。

 

 

 私たちと共に生きている

 菌たちこと。


 改めて考えてみるのも

 良いかもしれませんね。