発酵って何?

発酵は文化

わたしたち日本人は、遥か昔から「発酵の技術」を利用して

・食品の長期保存

・栄養増進

を図ってきました。

この技術は「日本の文化」として根付き、

受け継がれています。

 

しかし、発酵食品は時間と手間がかかるため

(味噌や米酢で1~2年)

今、流通されている「発酵食品」と言われている食品も、

短期間で簡単に作られ製品化されるようになりました。

 

発酵食品は、微生物の力で時間をかけてこそ健康にも美容にも効果を発揮してくれます。

それが、「早く」「簡単に」「安く」作られているものは、発酵食品とは言えず

「発酵食品もどき」と言ってもよいものとなっているのが現状です。

おふくろの味の危機

本来、人は

自分の身体に必要なものは味覚でわかるもの・・・

その大切な味覚は、子供のころから舌で感じ身につくものです。

 

今、流通されている「発酵食品もどき」を食べ続ける事や、

発酵食品自体を食べる習慣がなくなることで、

「受け継がれてきたおふくろの味(発酵の味)」が失われつつあります。

 

日本の文化である「発酵」を次世代まで繋げていくためにも、

「発酵」が何か?を知り、本物の味を味わい、

そして子供たちに伝え続けることが、

子供たち、そして未来の子供たちを守ることにつながります。

 

例えば、一般的な朝食を見てみましょう

 

・味噌汁   味噌・だしをとったかつお節

・納豆    納豆・お醤油

・漬物    ぬか漬け・奈良漬け、たくあんなど

・お浸し   お醤油、かつお節

・みりん干し みりん

 

このように、1食の中にも発酵しているものを多く取り入れています。

そんな日本の文化になっている「発酵」ですが、

そもそも、発酵とは何なのでしょう?

 

 

「発酵」とは・・・

☆発酵の意味

微生物によって元々の食品が変化し、

人にとって有益なものと判断されると「発酵」といい、

有害なものと判断されると「腐敗」と言われます。

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①微生物(菌・カビ・酵母)が食品を分解する働きで

 「発酵」や「腐敗」がおきる

発酵は、人に有益なもの。腐敗は人に有害なもの。

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納豆が嫌いな人が

「あれは、腐ったものだから食べるなんてありえない」

と言っているのも、

その人にとって納豆の匂いやネバネバが「有害」と

判断されてしまうからかもしれません(笑)

 

・発酵 糖類が分解されて乳酸、アルコールなどが

    生成されること

 

・腐敗 タンパク質、アミノ酸などが分解され、

    硫化水素やアンモニアなどの臭いや

    有毒物質が生じる事

 

「発酵」とは、

「微生物」の働きで、食物が変化し

私たちにとって有益に作用すことをいいます。

 

 

発酵の主役は、微生物

 

発酵を生む三大微生物と言われるのが、

「カビ」「酵母」「細菌」です。

 

・カビ

炭水化物やたんぱく質を多く含んだ食品に繁殖しやすい微生物です。

発酵に使われるカビの代表的なものが、「麹菌」です。

ほかにも、青カビはチーズ造りに使われています。

 

麹菌

使われる発酵食品

味噌、醤油、日本酒、かつお節など

栄養源

でんぷん、タンパ質

発酵による生産物

糖分、アミノ酸

 

 

・酵母

酵母は、植物や果実、土の表面や海など

自然界のあらゆるところに生息する菌です。

食物に含まれる糖質をエサに、アルコールと炭酸ガスに分解して増殖していきます。

 

使われる発酵食品

パン、酒類、醤油、味噌など

栄養源

糖質

発酵による生産物

アルコール、炭酸ガス

 

 

・細菌

細菌というと、悪いイメージがありますが、

人間の体の中にも600兆の細菌が住み着いています。

発酵に利用される細菌も様々な種類があります。

 

乳酸菌

使われる発酵食品

ヨーグルト、漬物、醤油、味噌など

栄養源

乳糖、ブドウ糖

発酵による生産物

乳酸

 

酪酸菌

使われる発酵食品

酢、ナタデココ

栄養源

エチルアルコール

発酵による生産物

酢酸

 

納豆菌

使われる発酵食品

納豆

栄養源

タンパク質

発酵による生産物

アミノ酸